団体概要
当チームは計算科学と医学の専門家がUT-Heartの実用化のために力を合わせています。大学病院や企業との共同研究も推進し実績を挙げています。さらに我が国の代表的アプリケーションとして京コンピュータを活用するだけでなく、その次のスパコンのためのプログラム開発(文部科学省 ポスト「京」プロジェクト)も開始しました。
事業内容
UT-Heartの技術はテーラーメード医療に用いることが出来ます。つまり医療情報に基づき個人の心臓をコンピュータ上に再現することで病気のメカニズムに遡った合理的な診断を行い、更にそれに仮想的な治療を施すことにより、最適な治療オプションを選択することが可能となります。例えば心臓再同期療法(CRT)では、施術しても改善の見られないnon-responderと呼ばれる患者さんが30%以上存在することが報告されていますが、それを事前に判定すること、そして有効と判定された場合には、心臓のどの位置に電極を配置すれば最も高い効果が得られるかを知ることが出来ます。またやり直しのきかない大掛かりな心臓外科手術についても、事前にコンピュータ上で複数の術式をシミュレートし、血圧や血流などの動態や心臓への負担がどう変わるかを比較することが出来ます。またUT-Heartに薬を投与すれば心臓がどう反応するかも試すことが出来ますので、テーラーメード医療だけでなく、創薬の強力な手段となります。更に、従来は動物実験に頼らなければならなかった除細動装置や補助人工心臓など各種の医療機器の開発にもUT-Heartは活用され画期的な成果を挙げています。